木造住宅7つのポイント
| Q. | 木造住宅は地震に弱いと聞きましたが、阪神・淡路大震災では倒壊をまぬがれた建物がたくさんあるそうです。 その理由と地震に強い建物にするための対策を教えて下さい。 |
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| A. | 軽くて強い木材でできている木造住宅は、決して地震に弱いということはありません。 最近の建築基準に基づいて建てられた住宅は、阪神・淡路大震災でも大きな被害は受けていません。 地震に強い建物にするためには、良質な木材を柱、梁、土台に使用し、筋かいなどを入れた耐力壁を適切に配置した耐震構造にすることです。 |
同じ重さの鉄と木の強さを比べると、スギ材なら圧縮の強さは鉄の約2倍、引っ張りの強さは約4倍もあります。<木造住宅を強くする対策>
地震によって建物が受ける地震力(振動エネルギー)は建物の重さに比例するので、日本のような地震の多い国では軽くて、強い木材で家をつくることが適しています。
@良好な地盤に建てるか、必要に応じた地盤改良を行う。●建築材料の比重、強度、および比強度
A耐力壁は釣り合いよく配置する。
B基礎一体の鉄筋コンクリート造とし、1階の耐力壁の直下には必ず基礎を設ける。
C土台にはヒバ、ヒノキ、JISまたはJASの防腐処理木材等を使用する。
D柱、梁、土台には太い木材(ひきたて寸法12cm以上)を使用する。
耐力壁が少なかったり片寄って配置すると、地震に弱くなる。
筋かいを入れたり、構造用合板を張って耐力壁にする。
筋かいは向きの異なるものを一対にし、幅は高さの3分の1以上になるようにする。
耐力壁が不足したり、片寄った配置になると地震に弱くなる。
※1 沖積低地とは、約1万年前から現在までに堆積した軟弱でしかも地下水位面が地表面に近い地盤のことである。
※2 液状化現象とは、水をいっぱいに含んだ砂地盤が揺さぶられて液体のようになることをいう。
※3 不同沈下とは、建物の基礎が凸凹に沈下することをいう。宅地の造成で盛土の厚さが一定でなく、まだよく締まっていない状態で建築したときに起こる。建物は宅地造成後少なくても1年〜2年経ってから建築するのがよい。
※4 布基礎とは、柱列、壁下に沿って細長く連続した基礎をいう。
※5 耐力壁とは、地震や風に抵抗する壁体で、@筋かいの入った壁、A構造用合板や石膏ボードなどを張った壁、B木ずり壁、土塗り壁、などがある。
出典/地震にそなえて〈(財)日本建築防災協会〉
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